9/30 イタリア買い付け旅行記 -フィレンツェ③-


ゆっくり起きた日曜の朝、外の空気は澄み切った高原のそれ。故郷長野の志賀高原をふと思い出してしまった。フィレンツェ中心街と、気温が10度違うこともあるそうだ。なので冬の訪れは早いし、雪も降る土地柄。もうステファノ家では冬の準備に取り掛かっている。まもなく、暖炉に薪がくべられることだろう。

「リョウジ、今日は完全オフモードで、リラックして!」パートナーのイヴォンヌに言われた通り、彼らと共にトスカーナの休日を味わってみようと思う。きっと、東京での休日とは違う何かに気づくはず。まずは3人で朝食に出かけよう。車で10分も走れば、昨夜夕食をとった街に出る。中心部のバール兼パスティッチェリア(お菓子屋)には大勢の人々(特に男性)が集まってパンを口にしたりカフェを飲んだり、おしゃべりに夢中だったりする。いつものイタリアの朝の光景である。

「リョウジ、ボンボローニ食べようぜ!」とステファノ。甘くてまるいドーナツの中にカスタードクリームをたっぷり詰めたこの辺りでよく食べられている菓子パンだ。他にも小さくて丸いお菓子の中には、これまたヘーゼルナッツのクリームや生クリームが詰め込まれている。そう、イタリアの朝といえばこれらの甘いパンなのだ。それをカプチーノと共に流し込む。

イボンヌは中に何も入っていない外見はクロワッサンそのものを注文。しかしこれも少々甘く仕上げてある。全て食べてみたところ、今日はイボンヌのチョイスの美味しさにハマってしまった。他のも合わせて全て平らげ、朝食タイム終了。

我々は街の散策に向かった。小さな町だから30分もあれば、ぐるりと一周してしまう。古い歴史を感じさせる町はここだけではなく、この後訪ねた隣町のムジェッロも同様でとても趣がある。

散策を終えて買い出しに。今日はランチ抜きなので、夕食一発勝負で食事は終わりということで、イボンヌが腕によりをかけて作ってくれるはず。材料を近くの大型スーパーCONADで仕入れる。このスーパーマーケットもなかなか興味深い。日本とどれくらい物価が違うのかとか、お魚の鮮度はいかがなのか?肉は?興味は尽きない。値札に1.18とか21.9とか書かれているのは、全て1キロ単位の値段(ユーロ)です。

↑これだけは単品の値段

後から聞いた話だけど、スーパーにもいろいろあって鮮度などは店によって異なるのだそう。僕が見たところ、お肉はいちいち切り出してもらう量り売りのものは赤みが際立っていて美味しそうでした。お魚は日本の基準からすると「??」な部分もあるのだが、イボンヌに言わせるとサーモンなどスモークして使うととても美味しいと言っていたので、まあまあなのかな。彼らはまず、生では絶対に口にしないからね。基本、加熱専用です。

買い出しの後は隣町ムジェッロへ。この町は中世時代にルネッサンス文化を開花させ、支え続けた大富豪メディチ家の「お城」が今も町のシンボルとなっている他、ナイフなど刃物の町として有名だそうだ。早速散策してみると、目抜通りに数軒のナイフ専門店があり、そのデザインの美しさ、柄のバリエーションなどこだわりがすごい。

続いて入った銅なべの専門店、これも先ほどのナイフと同じく全て手作りだ。今でもこうした工芸品の数々は手作業でじっくり作られており、機械では作り出せない微妙な曲線や作業をした時の仕上がりの良さを演出している。紳士靴や婦人靴もそうだけど、機械化された現代ならではの光る逸品であり、これこそが自分のような世代は欲しいものなのである。

と、理屈をつけてみたが結局一目惚れして銅で作られたフォンデュ、バーニャカウダ用のキャンドル付き保温セットなるものを購入してしまった。強火はいかんというわけで、ガスコンロに載せる際に使う下敷きまで一緒に。テーブル映えがするお鍋セットなので、お客様を呼んだときにはきっと大活躍してくれるだろう。

買い物を終えたら午後の早い時間に帰宅しちゃおう。イヴォンヌはゆっくりと食事の支度に入る。ステファノは庭の手入れと犬たち(猟犬が二匹と小さなワンコ一匹)の世話などを終えると厨房でチーズをおろす係。自分はそれらを撮影して回る。しばらくするとアペリティーボタイムがスタート。夕食前のひと時を、こうしてゆったりとカクテルやプロセッコ(発泡ワイン)を飲みつつだらだらと過ごすのである。夕食への期待がどんどん膨らんでくる。それにしてもステファノとイヴォンヌの仲の良いことったらもう!この状態、すでに5年は同じです。羨ましい限り。

#旅 #旅行 #フィレンツェ #トスカーナ

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© 2019 Ryoji Shimizu